家庭の心理学 (20)

sigusa

子供のスポーツ何にする?

今、いろいろなスポーツが注目を集めています。しかも小さいうちからさせた方がより高い能力に芽生えると、熱心に子供にスポーツをさせたがる親も少なくはありません。 このスポーツ、何をやらせるかによっても子供の人格形成に与える影響は大きく違います。 たとえば、サッカーや野球など一人ではなくチームとして戦うスポーツ。 チーム、つまり集団の中ではどうしても秩序や協調が必要になります。こういったスポーツを小さい頃から続けることで、チームでの調和、協調性を身につけることが出来ます。集団内での上下関係についても、団体競技を行っている子供は知らず知らずのうちに学習するのです。 ただ集団で行動するということは、常に誰かが傍にいるということ。人と一緒にいたいという親和欲求は強くなってしまいますし、逆にそういった欲求が強い子が団体競技を好む、ともいえます。 逆に水泳や格闘技など、自分ひとりで戦う競技の場合。 1対1でのスポーツは、協調性などは培われないものの、すべての責任は自分にのしかかってきます。だからこそ、自分で何をしたいか、今自分はどのように感じているか、ということを直接表現できるようになります。 度を過ぎればわがままとも取られかねないですが、きちんと自分自身の意思を口に出来るようになるのです。 このように、団体競技をさせるか個人競技をさせるかによって子供に与える影響は大きく違います。また競技内容によっても、その影響は異なってくると考えられます。ただし親の意向だけで子供がするスポーツを決めては長続きしないもと。きちんと子供の希望も聞き入れて適性のある競技をさせてあげるようにしましょう。

Continue reading...
sigusa

矛盾は禁物

子供を褒めるとき、きちんと笑顔で褒めてあげていますか? 言葉では褒めながら、忙しさのあまりキツイ目をしていたりはしませんか? 言葉と行動が一致していない場合、子供はダブル・バインド状態に陥ってしまいます。これは実は、子供にとっては大きな問題となりえるのです。 ダブル・バインドとは、矛盾した二つのメッセージを同時に送られること。 言葉では褒めているのに、顔は怒っている、全く逆のことを表現している。これはまさしく矛盾するメッセージです。こういったメッセージを受け続けると、子供は人間関係自体を信用できなくなってしまいます。 自我の崩壊すら招きかねないというのです。 ダブル・バインドの状況にある人は、黙り込む、相手の話を聞かない、その場から逃げ出す、の3つの対応をとると言われます。そうすることで、矛盾し、理解できないメッセージから身を守っているのかもしれません。 自分の子供がもしそういう行動を取ったら、子供の行動を責めたり怒ったりする前に、まず自分がどのように接したかを振り返ってみましょう。もし自分の行動に矛盾があったとしたら、子供が取った行動は自分の身を守るためのサイン。子供を責める前にまず自分の行動を反省しなくてはならないのです。

Continue reading...
sigusa

話し上手話し下手

世の中には話が上手い人もいれば、「話ベタ」と呼ばれる人もいます。自分の子供には、話し上手になる、とまではいかなくても、せめて話し下手にはなってもらいたくはないですよね。 自分の子供を話下手にしないためには、幼少期、家の中で話し相手になってくれるお母さんの役割が非常に重要なのです。 小さい頃にお母さんがきちんと話を聞いてあげないと、その子供は話下手な大人になってしまうのです。 「パブロフの犬」という現象のことをご存知でしょうか? これは条件付けのことですが、人間にも「マイナスの条件付け」という現象が起こります。 何かをするたびに嫌な思いをしていると、その「何か」自体に嫌な感情を抱いてしまう、というものです。 もっとわかりやすく会話に置き換えて説明すると、小さい頃に話をすることで「嫌」な思いをし続けると、子供は「話をすること自体が嫌」になってしまう、という訳です。 そう、だからこそ、子供を話下手にしないためには子供と家で話し相手になるお母さんの役割が重要になるのです。 子供に話すことが「嫌」と思わせるような聞き方をするのではなく、なんでもない話でも熱心に聞いてあげましょう。話をすることで良い思いをすれば逆に、会話に楽しさを覚えるようになります。そうすれば自然と子供の話術自体が上達していくのです。

Continue reading...
sigusa

怒鳴るよりも効果的

子供が悪いことをした時にどう叱るか、親の立場ならば頭を悩ませる所かもしれません。 親の方からも、出来ることなら頭ごなしに怒鳴りつけたりはしたくない。ガミガミ言われるのは嫌なものですが、言う方も決して楽しいものではありません。また、そうやって言ったことを聞いてくれないならなおさらです。 10歳ぐらいまでの子供を叱るとき、効果的な方法があります。 ポイントは、嫌なことでも「自分からしたい!」と思わせること。 片付けの場面を例に挙げて考えて見ましょう。 自分のおもちゃを散らかしたままにしている子供には、 「片付けなさい!」 と叱りたいもの。ですがそこをぐっとこらえます。 命令口調で何か言っても、子供は「嫌だ!」と反発したがります。だからまずは 「いいよーそのままでもー」 と、子供の行動を肯定する言葉を言うのです。 勿論、このままでは散らかしっぱなし。叱ったことにはなりません。 ここでさらに、付け加えるのです。 「泥棒さんが見たら大喜びだねー。一番最初にこの部屋に盗みに来ちゃうねー。そうしたら○○君が対決してくれるかな?」 まだ小さい子供ならば、これで十分。○○君はすぐに顔を青くして「片付けなきゃ!」と思うはずです。 誰かに命令されたり何かをやらされたりという状態では、誰でも反発したくなります。命令されたからではなく、あくまで「自分で」やる状況にもっていくことにより、効果的に子供に言うことを聞かせることが出来るのです。

Continue reading...
sigusa

親子のはじまり

心理学を知らない人でも、「すり込み」という現象について耳にしたことはあるのではないでしょうか? インプリンティングとも言われますが、生まれたてのひな鳥は実際に自分の親かどうかにかかわらず初めて見た動く物を親と思い込むという現象です。 人間にもこの「すり込み」はあるのでしょうか? 答えから言うと、人間には「すり込み」はないと言われています。しかし、やはり生まれた後、お母さんと赤ちゃんが早く、そして長く一緒にいることによって良い面はたくさんあるのです。 お母さんと赤ちゃんが早く会った方が良いのは、「初頭効果」という効果が期待できるからです。これは、最初に得た情報について人は強く影響を受けるという効果。 生まれた直後の赤ちゃんとお母さんが対面し、赤ちゃんに対して可愛らしいと思ったお母さんは良い親子関係を保つと考えられます。 つまり、赤ちゃん側がどう思うかという「すり込み」のような現象ではなく、お母さんが赤ちゃんと早く会い、長い間一緒にいるほうが大事、ということなのです。 実際、「早く長く」赤ちゃんと一緒にいたお母さんの方が「遅く短く」しか赤ちゃんと一緒にいなかったお母さんより、積極的にスキンシップを取るようになったという実験結果が出ています。 赤ちゃんがお母さんを認識する前にまず、お母さんが「自分は母親になったんだ」という自覚をし、その子に対する愛情を抱く必要があるということかもしれません。

Continue reading...