家庭の心理学 (20)

sigusa

クローズなひとびと?@

「クローズ人間」という言葉、聞いたことがありますか? このクローズ人間、近頃の若者や子供たちに増えてきているといわれるのですが、どういった人間のことを指すかご存知ですか? クローズ人間とは、自分を「クローズ」してしまう人のこと。 外の世界と接触することを拒む人のことを指すのが、「クローズ人間」です。「クローズ」する方法は、他人と視線を合わせない、無表情になる、等々のポーズをとること。 ではどうしてこのようなクローズ人間が増えてきたのでしょう? 理由は二つ考えられます。 一つは、情報化社会と呼ばれるほど、現代社会に情報が溢れていること。このインターネットなどまさしくその象徴ですよね。 私たちの処理能力が到底追いつかないほどの情報が現代社会には氾濫しています。このような状況を、心理学では「過剰負荷環境」と呼びます。 この「過剰負荷環境」の中で生きていくため、自分を「クローズ」し、多すぎる情報から身を守るようになったと考えられます。 もう一つの原因は、幼少期の教育にあると考えられます。 それは、幼少期の押し付け教育、押し付け的かかわり、と呼ばれるもの。 「子煩悩な親」とよく言われます。これは度が過ぎると、子供の成長を阻んでしまうのです。が自分で何かをしようとする前に親が何でもしてしまった子供は、自分で主張する、自分から何かをするということを幼少期に学べず、面倒な他人とのかかわりを避けるようになってしまいます。 これが「クローズ人間」を増やしているもう一つの原因だと考えられます。

Continue reading...
sigusa

性格と体型

人それぞれ性格が違うように、背格好・体型もまた人それぞれですよね。 性格の基礎となる「気質」とこの体型の間にも、実は関係があるのです。 心理学的に「気質」と「体型」の関係は次のように説明されています。 ・やせ型の人 やせ型の人は、分裂気質といわれます。 この気質は、神経質だったり生真面目だったりで、社交性に乏しいところがあります。自分の世界の中にいて、なかなか外には出てこないのです。 他人の気持ちに対しては鈍く気にしないところがある一方で、ちょっとしたことでも自分が周りの人に言われることには過敏に反応します。 ・筋肉質型の人 やせ型とは違い、骨格や筋肉がしっかりとした、いわゆる「がっしり」型の人は、粘着気質といわれます。 性格は几帳面。秩序が整っている状態を好み、何かに熱中する傾向があります。 スポーツマンタイプに多いように、正義感が強い、礼儀が正しい、というのもこの気質の人。ただし融通が利かないのが難点です。柔軟な対応が出来ないため、頑固ともとられがちです。 ・肥満型の人 少しふっくらしている、ぽっちゃりしている、という人は躁鬱気質といわれます。 社交性があり、優しく親切な人が多いのが特徴です。温かみがあるのもこの人たちです。 ただし躁鬱、という言葉が表すように、浮き沈みが激しいのもこの気質。普段は一緒にいて面白い人なのですが、突如落ち込んでしまい、泣き出す、といったこともあるのです。

Continue reading...
sigusa

「キャラクター」と「パーソナリティー」

人の性格は実に様々です。 似た性格の人がいても全く同じ性格の人を見つけ出すのは困難でしょう。人の数だけ性格の種類も存在するといえます。 この性格ですが、心理学上では「キャラクター」と「パーソナリティー」に分類されます。 「キャラクター」とは、生まれつきその人が持っている性格。先天的な部分です。 一方の「パーソナリティー」は、日常生活、社会生活など生きていく中で形作られていく部分、後天的な部分のことを指します。 「パーソナリティー」は後天的な部分ですから、容易ではなくとも矯正することは可能です。しかし「キャラクター」の方は変えることが出来ません。なぜなら、先に説明したように、「キャラクター」は先天的な、もって生まれたものだからです。 人には気質というものがあります。気質とは、感情的な要素のことです。この気質こそが、性格の基盤となるのです。そしてこの気質は遺伝の影響を大きく受けてしまいます。 遺伝というものは、受け継がれるもの。自分で選べるものではありません。生理学的に言うと、自律神経や内分泌等の反応と関連しており、その部分に遺伝の影響が強く表れると考えられます。 遺伝子も環境も似通った状態だからこそ、親や子、兄弟の性格は似てくるのでしょうね。

Continue reading...
sigusa

ライバルは誰?

「あなたのライバルは誰ですか?」 そう問われたとき兄や弟、あるいは姉や妹、と答える人は少なくはないのではないでしょうか? これは心理学的には「カイン・コンプレックス」と呼ばれるもの。兄弟同士が抱くライバル心、敵対心のことを指します。 この名の由来は旧約聖書から来ています。カインという兄が、弟のアベルに嫉妬してついにアベルを殺してしまうのです。そこから兄弟同士が抱くライバル心を「カイン・コンプレックス」と呼びます。 それはさておいて、このカイン・コンプレックス、異性よりも同性の兄弟、もしくは姉妹に強く出るといわれています。 二人目の子供が生まれると、一人目の子供、つまりお兄ちゃんお姉ちゃんは赤ちゃん返りをすることがあります。これは、今まで自分ひとりのものだった親の愛情を、二人目の子供が奪ってしまったために出る行動。親の気を引くため、注意を引くために、指しゃぶりなどして赤ちゃんに返ってしまうのですね。 つまり一人目の子供と二人目の子供は、二人目の子が生まれた時から親の愛情を競い合うライバル、という訳です。 そういった幼少期の体験と同時に、一番身近で一番よく知る同性と自分を比較したり、競争したり、ということからライバル心が芽生えるのも当然のことなのかもしれません。

Continue reading...
sigusa

ひとりっこの特徴

兄弟のいる子はその生まれる順番によって性格が変わるのですが、では兄弟のいないひとりっ子の子はどのような性格をしているのでしょう? 近年、少子化の影響もあってひとりっ子の状態で育つ子供が増えています。この状況、実は親の育て方によっては良くない風潮を招きかねません。 ひとりっ子は家庭の中で競争したり協調したりということを学ばずに育つため、社会順応に時間がかかる可能性があるのです。学校など集団で過ごす中で、自分を受け入れてもらおうとする気持ちがあまり強くならないのです。 ひとりっ子の子は、常に自分が長男・長女でいる状態ということ。兄弟が生まれないことにより親の愛情を最後まで独占することが可能です。 長男・長女は弟や妹が出来るまで親の愛を独占することにより親和欲求が強くなったり、ストレスに弱くなったりします。ひとりっ子は親の愛を独占し続けるというのですから、この長男・長女が持つ傾向がいっそう強くなってしまうのです。 しかしこのひとりっ子、何も悪い面だけではありません。親の愛情を自分ひとりで受けるひとりっ子は、自分のことを好きになりやすくなります。こういった自分のことを好きな子供は、楽天的で周りの人にも優しくなる、と考えられます。また、積極的に人とかかわり、人当たりが良いというのも特徴です。

Continue reading...