臨床心理学とカウンセリング (10)

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心理的な病気と体の病気、治療するには?

「心理的に不安定で、体の具合も悪くなってきた」、そんな経験はありませんか? しかしそういった時、病院に行こうにも精神科、神経科、神経内科、いろいろあってどこがどのようなことをしてくれるのか、はっきりとわからないといった人が多いのではないでしょうか。 最近は内科とは別に心療内科という科を設ける病院も増えてきています。 「心」や「心の病気」に注目が集まり始め、人の心を治療しようという病院も増えてきているのが現状。 心理面から身体に及ぼす病気を癒してくれるのが病院ですが、実は、それぞれ主として取り扱う病気は異なっています。 精神科は、重いうつ病や統合失調症など、いわゆる「精神病」を扱う科です。 神経科は、ノイローゼや自律神経失調症などに神経症を患った場合に受診する科。 じゃあ神経症って何かというと、頭痛などで体の異常、不安など精神の異常が確かにあるのですが、医学的に調べて見ると異常がない。 症状だけあって、検査などではわからない所、つまり心理面に原因があると考えられるのが神経症です。 こういった症状がある場合は、神経科に行くと良いでしょう。 神経症とは違い、心が原因となっていると考えれる症状であり、かつ身体を検査しても異常が見られる、というのが心身症。 この症状が出た場合は、心療内科で見てもらえます。胃潰瘍やぜんそくなども心療内科の領域。 心療内科では、心理カウンセリングを行ってくれる所も多いようです。 心理的な病に陥った場合は、まず訪ねてどのようなことをしてくれるのか聞いてみるのも良いかもしれません。 よく似ていて間違えやすいのが、神経内科。 実は神経内科は、心療内科とは大きく意味が違います。 神経内科は脳卒中の後遺症で出た神経の症状や、パーキンソン病など、純粋に神経の病気を診てくれる科です。 つまり、直接「心」の病気とは関係のないところなのです! 心理的な病気になった場合は、他の神経科や心療内科へ行った方が良いと考えられます。 今現在、病院の専門科はこのような状態はですが、人の心理面が体に及ぼす影響が注目され始めている中で、今後もっと様々な病院、専門科が出来てくるかもしれません。

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カウンセリング、どこで受ける?

カウンセリング、受けてみたいけれどどこで受けるかよくわからない。 それほど深刻に悩んでいるわけではないけれど、少し相談してみたい。 そういった方はまず保健所を訪ねても良いかもしれません。 保健所は各地域にある公的機関で、その地域に住む人たちの健康や衛生を支えています。健康や衛生を支える中にはもちろん、心の健康も含まれます。 自分の状態を話し、どうすれば良いか相談してみましょう。 保健所は無料で利用できますし、自分の住んでいる地域にあるものですから、調べて行きやすいのもメリットかと思います。 保健所よりもさらに、精神的、心理的な健康について考えてくれる公的機関が、精神保健福祉センターです。 地域によって呼び名は違うこともありますが、精神科のソーシャルワーカーが職員として採用されていたりするので、より「心理的」な面について相談に乗ってくれると思います。 勿論こちらも公的機関なので、無料になっていますよ。 最後に、民間の心理相談機関に頼ることもできます。 心理学やカウンセリングについての専門家、たとえば臨床心理士などが相談やカウンセリングを行っている施設のことです。 人の心理に注目が集まりだした最近ではカウンセリング専門の機関も増えています。このような期間ではその人個人に合わせ、じっくりと時間をかけて面接などを行います。 ただし民間の心理相談機関で注意しなくてはならないのは、心の「治療」であっても保険が適用されないこと。 つまり、すべて自費負担になり、思いもよらない金額を請求されることもないとは言えないのです。決まった受診料もなく、機関ごとに料金も異なるので、受診前に相談するにはどれくらいお金がかかるのか確認しておくことをお勧めします。

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カウンセラーって誰がなる?

カウンセリングをする人のことを「カウンセラー」と呼ぶことは有名です。 ではこの「カウンセラー」、一体どういった人がなっているのでしょう? 実は、カウンセリングすることや、カウンセラーと名乗ることに法的拘束がないのが現状。つまり何の資格もなく、十分な知識や経験のない人がカウンセラーを名乗ることだって出来るのです。 勿論そのような人たちにまともなカウンセリングが出来るとは考えにくく、悲しいことですがそういった心無い人たちのためにトラブルも起きているのも事実です。 そういったトラブルを避けるためにも、カウンセリングを受ける際には専門の知識を身につけている人かどうか確認する必要があります。 とはいえ、現在カウンセラーの資格としては国家資格がなく、民間の認定資格が溢れている状態。どの資格を持っている人がどんな知識を持っているのか、というのはわかりにくい状態です。 そんな中でカウンセラーがもつ資格として最も知名度があるのが、臨床心理士。 臨床心理士は指定された心理系の大学院を卒業したり、さらに実務をこなして初めて受験資格が与えられる試験。試験の資格等は現在流動的に変更しているのが実情ですが、しっかりと心理学について学んだ人でしかなれないという点では変わりません。 公立学校でスクールカウンセラーになるために必要な資格とされていることもあり、公的資格と呼ばれてもいます。 「臨床心理士の資格を持っている人のカウンセリングなら間違いない!」とは言い切れませんが、他の資格に比べると信憑性の高い資格と言えると思います。

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カウンセリングと非言語的表現

カウンセリングには言語的表現の技法と非言語的表現の技法があります。 ここでは非言語的表現の技法がどういうものかを説明します。 非言語的表現、といわれてもわかりにくいですね。 ですが難しく考えることはありません。私たちは日常生活を送る中で、普通に行っていることなのです。 表情や視線、身振り、声の大きさや高さ、言葉遣い、衣服などの身だしなみ、そういった言葉を使わないものからも、いろいろな情報を得ることが出来ますよね?その人がどんな人なのか、何を考えているのか、私たちは言葉以外の所からも推測しながら相手と接していきます。 それが、非言語的表現。 言葉を用いなくても相手に伝わる、伝えるもの。 そう考えれば、言葉での表現よりもよほど、情報量は多いといえます。 この非言語的表現、心理カウンセリングでどのように用いるのか。 一つは、自分の非言語的表現を利用して、相手を安心させてあげることです。 頷いたりしながら真剣に話を聞いてあげると、相手は自分の話が聞いてもらえている、ということを感じ取り、安心します。 穏やかに微笑みながら対面すれば、相手もホッと気を楽にするでしょう。 こうして自分から示す言葉ではない情報を利用する、というのが一つ。 もう一つは、クライアントが示す情報を正確に読み取るということです。 相手がどんな心理状態でいるのかカウンセラーはきちんと把握し、クライアントが話しやすい、過ごしやすい雰囲気を作ってあげなくてはなりません。 その為に、相手が怖がっていないか、戸惑っていないかなど、クライアントが発している言葉ではない情報、たとえば表情だったり声色だったり、しぐさだったり、から読み取る必要があるのです。 その中でどうやってクライアントの過ごしやすい空気を作ってあげるか。そこは、カウンセラーの腕の見せ所だとも言えます。 このような非言語的表現は、臨床心理学やカウンセリングなどで研究されている他にも、たとえば文化によるしぐさ表現の違いなど、別の心理学の分野でも研究されています。

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カウンセリングと言語的表現

カウンセリングには言語的表現の技法と非言語的表現の技法があります。ここでは言語的表現の技法がどういうものかを説明します。 言語的表現の技法と聞けば、「ああ言葉を使ってすることなのかな」となんとなくはわかるかもしれません。 ですが、カウンセリングで大事なのは、実はカウンセラーが「話す」ことではないのです。 カウンセラーがいかにクライアントの言葉をきいてあげるかが、カウンセリングでは重要。カウンセラーがクライアントの話をきくことによって、クライアントの心理的な問題を理解し、解決に導いていくのです。 ですからここでいう言語的表現技法も、カウンセラーが言葉を使ってクライアントの話を引き出したり、クライアントを落ち着かせたりするための技法。 このままではわかりにくいですよね。ここで、例を挙げてみてみましょう。 たとえば「そうだね」などと相槌を打つこと。 何気ないようですが、相槌を打つという行為は、相手からすれば自分の話をきちんと聞いてもらえているということ。自分の話を聞いてくれているとわかれば、心のどこかでホッとしますよね。 カウンセラーは適度に相槌を打つことによって、クライアントに安心感を与えるのです。 相槌を打つのと同じように、相手の言葉を繰り返してあげると、「話をきてもらっている」という安心感を与えます。これは勿論、相手の話を聞いていなければ出来ないことです。 こうして「この人は自分の話をきちんと聞き、自分のことを考えてくれている」と安心させてあげることは、心理カウンセリングには非常に重要です。 心理的に負担を抱えている人が、信頼できない人を相手にしても癒されるとは思えませんよね。まず、カウンセラーは自分が信頼できる人だということ、自分は味方だということをクライアントに教えてあげなくてはなりません。 その他にも技法はありますが、いずれの場合も、クライアントの話を聞いてあげることが重要。 こうした技法は、何もカウンセリングに限らず、私たちが日常生活で使っても役に立つものだと思います。

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