恋愛心理学 (31)

sigusa

ひとのなわばり?@

「なわばり」と聞いて連想するものは何ですか? 犬でしょうか。猫でしょうか。 はたまたライオンなど、サバンナを駆け巡る獰猛な動物たちでしょうか。 なわばりはテリトリーと呼ばれることもあります。なわばりやテリトリーとは、動物が自分のものとした領域について占有し、守ろうとする領域のこと。 その理由は植物を取るためだったり子孫を残す生殖活動のためだったりと様々。占有する方法も、動物の種別によって違います。 「どうして恋愛心理学に動物の話が出てくるの?」 と思った人もいるかもしれません。 もちろん、ただ何となくなわばりの話をした訳ではありません。「なわばり」について触れたのは恋愛心理学にも関係のある事柄だからです。 そう、最初にあげた動物だけでなく、人間にも「なわばり」というものがあるのです。 相手をどれだけ自分に近づけるか、という点を見れば、その人がその相手をどのようにとらえているか推測出来るのです。 人間だって立派に動物。無意識のうちになわばりを作り上げていても不思議ではないですよね。気になる相手が自分のことをどう思っているかをさりげなく知るには、自分のことをなわばりのどの域まで侵入させてくれるか試してみても良いかもしれません。

Continue reading...
sigusa

遠距離恋愛不利なワケ

人は近くにいる人を好きになる傾向、そして何度も何度も目に触れる人を好きになる傾向があります。 では、好きになってカップルになった二人が仕事だったり進路だったり何らかの理由で離れ離れになった場合。いわゆる遠距離恋愛の場合ですね。そういった場合、二人の関係はどうなるのでしょう? 残念ながら、どうしても近くにいるカップルよりうまくいかない確率が高くなってしまいます。 「ボサードの法則」という、物理的距離が離れるほど結婚する確率が低くなる法則も提唱されています。 ではなぜ距離が離れると恋愛はうまくいかなくなるのか。それは、「目に触れる回数が多いほど人はその人を好きになる」という単純接触効果の維持が難しくなるからです。 離れても変わらず会い続けていれば、問題はありません。けれどそれが物理的に難しくなるのが、遠距離恋愛。近くにいる人同士よりも破局の確率が高くなってしまうのですね。 遠くの人に実際に会いに行くのは、それだけお金もかかるし、時間もかかります。その場合はかわりに電話やメールの密度を高くすようにしましょう。顔を見ることは出来なくても、相手の存在をそばに感じることが出来るはずです。 逆にいえば、そういったマメさがなければ遠距離恋愛は続かない、ということですね。

Continue reading...
sigusa

似ている部分を探してみよう

人は自分に近い人と仲良くなることを「近接の要因」といいますが、実は「近ければよい」のは物理的距離だけではないのです。 「近接の要因」で問題にされていたのはあくまで物理的な距離だけでしたが、人は、価値観や考え方などで自分と共通点のある、自分に「近い」人と仲良くなる傾向があります。 これを「類似性の要因」と呼びます。 自分の身近にいる友達を思い浮かべてみてください。 趣味や考え方、関心のあるものなど、どこか共通している点、似通っている点はありませんか? 好きな食べ物や好きな歌手でも良いです。二人の間に何か一致するものはありませんか? 大多数の人が、友人と自分自身の間には何かしら共有できるものがある、と感じていると思います。 これが「類似性の要因」。 この作用は友情だけでなく、恋愛感情にも働きます。 人は、自分に似たところがある人、共通点がある人に好意を抱く傾向があるのです。 誰か気になる人がいるなら、まずその人が興味、関心を持っているものを知りましょう。その話題を振ることで、必ず相手は自分に対して興味をもってくれるはずです。自分と共通するものがある、ということで、相手は安心するのです。 まず相手の好きなもの、興味のあるものについて、 「自分も同じことに興味がある」 「あなたと同じものが好き」 ということをアピールすれば、相手の気持ちはグッと近づきます。 逆に、一方的に自分の好きなものを話すだけでは、相手は退屈してしまいますよ。

Continue reading...
sigusa

まずは視界に入ること

席が隣など、そばにいる者同士が仲良くなる現象を近接の要因といいます。 それを繰り返し続けていると、また新たな心理的現象が起こるようになります。 それは、単純接触効果。 目に触れる回数が増え、会話をする回数が増えるにつれて、おのずとその相手に対する好意が生まれてくる、というものです。 劇的に好きになる、というまでの効果ではないかもしれません。けれど、好意を持たれるというのは対人関係において非常に重要。 その好意はもちろん、恋愛感情にも発展し得るものです。 好意の全く持てない人に対して、恋愛感情は生まれませんよね。まずは相手の目に入り、好感を得ることが重要です。 毎日、朝の挨拶をすることから始めても良いでしょう。気になる相手がいる場合は、少しずつ相手の目に触れておくこと。積極的に話しかけることが出来なくても、自分の存在を相手に知らせておくこと。 それを続けていくうちに、相手の中で意識せずとも単純接触効果は生まれてきます。 そのうち、挨拶ついでに会話も、廊下ですれ違うときに挨拶代わりの言葉をかわす、なんてことも出てくるかもしれません。相手に認められれば、相手から話しかけてくれることもあるでしょう。 そうやって少しずつ相手の視野の中、世界の中に入っていくことが、恋愛を発展させる上でも重要だと思います。

Continue reading...
sigusa

仲良くなるのは近い人

人はどういった人に好意を持つのでしょう? たとえば、厳しい受験をへて入った高校。周りは自分の知らない、新しいクラスメイトばかりです。 こういった場合、異性同性限らず、どんな人とまず話をするようになりますか? おそらく多くの人が、「その時近くにいた人」と答えるのではないでしょうか。 たまたま前の席だった人、隣の席だった人。とにかく自分の近くにいる人とまず、会話や接触を試みるのではないでしょうか。 周りの人の性格も何もわからない状態では、わざわざ遠くの人を選んで話しかけにいくのは、話しかける方からしても話しかけられた方からしても不自然ですよね。 恋愛だけに限らず、このような近くの人同士が仲良くなることは近接の要因と呼ばれます。 こういった現象があることを知っていれば、好きな人、仲良くなりたい人がいる場合まずどうすれば良いか見えてきます。 そう。出来るだけ相手の近くの席を選ぶなど、「近接の要因」を自分で作り上げるのです。 「遠くから眺めているだけでいい」なんて言っていると本当に眺めているだけで終わってしまう可能性の方が高いけれど、とりあえず近くの席に行けば、それだけで「近接の要因」が働くこともあるかも! 実際に話しかける勇気はなくとも、とりあえずは近くにいること。 相手の視界に入る場所にいること。 それがまずは第一だと言えます。

Continue reading...