タダほど怖いものはない?

「これあげる。気にしないでいいから、もらってよ」


そう言われてプレゼントを贈られた時、あなたならどう感じます?本当に相手の言うとおり「気にしない」でいられますか?

多くの人は、そうは感じないと思います。

相手との関係、たとえば友達や家族だったら、本当に気にしないでいられるでしょう。
「何だかよくわからないけれどもらえるものなら……」
などと受け取ることが出来ると思います。


けれど突然、友達でもない異性にそう言われたら、どう感じるでしょう。
素直にありがたい、嬉しい、とは思いにくいのではないでしょうか。


何かを買うと必ずその代金が必要になりますよね。
それと同じように、人は無意識のうちに何かを与えられれば、手に入れれば、それと同等の物を自分からも提示しなくてはならない、見返りが必要になる、と考えているのです。
だから、「無償で」と言われても、それを素直に受け入れることができず、代償を払わないことにかえって気持ち悪く感じてしまうのです。


「そんなうまい話はない」
「何か裏があるはず」
と、勝手に疑ってしまうのですね。

異性からだと余計に、
「何か下心があるんじゃないの?」
と思ってしまうわけです。


だから、気になる相手に不用意にプレゼントをするのは考え物。
何か贈りたい物があるなら、相手を警戒させないような理由が必要になります。


「代償がなければ気持ち悪い」と感じるのは、何も恋愛関係に限ったことではありません。
安すぎる物にはかえって手が出しづらいのはそのせい。悲しい習性ですが、人はそうやって自分を守っているのかもしれません。

しぐさで分かる心理学|タダほど怖いものはない?