カウンセリングと言語的表現

カウンセリングには言語的表現の技法と非言語的表現の技法があります。ここでは言語的表現の技法がどういうものかを説明します。


言語的表現の技法と聞けば、「ああ言葉を使ってすることなのかな」となんとなくはわかるかもしれません。

ですが、カウンセリングで大事なのは、実はカウンセラーが「話す」ことではないのです。

カウンセラーがいかにクライアントの言葉をきいてあげるかが、カウンセリングでは重要。カウンセラーがクライアントの話をきくことによって、クライアントの心理的な問題を理解し、解決に導いていくのです。


ですからここでいう言語的表現技法も、カウンセラーが言葉を使ってクライアントの話を引き出したり、クライアントを落ち着かせたりするための技法。


このままではわかりにくいですよね。ここで、例を挙げてみてみましょう。


たとえば「そうだね」などと相槌を打つこと。


何気ないようですが、相槌を打つという行為は、相手からすれば自分の話をきちんと聞いてもらえているということ。自分の話を聞いてくれているとわかれば、心のどこかでホッとしますよね。

カウンセラーは適度に相槌を打つことによって、クライアントに安心感を与えるのです。

相槌を打つのと同じように、相手の言葉を繰り返してあげると、「話をきてもらっている」という安心感を与えます。これは勿論、相手の話を聞いていなければ出来ないことです。


こうして「この人は自分の話をきちんと聞き、自分のことを考えてくれている」と安心させてあげることは、心理カウンセリングには非常に重要です。


心理的に負担を抱えている人が、信頼できない人を相手にしても癒されるとは思えませんよね。まず、カウンセラーは自分が信頼できる人だということ、自分は味方だということをクライアントに教えてあげなくてはなりません。


その他にも技法はありますが、いずれの場合も、クライアントの話を聞いてあげることが重要。


こうした技法は、何もカウンセリングに限らず、私たちが日常生活で使っても役に立つものだと思います。

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